仕手株 是川銀蔵
仕手筋、相場師として有名な是川銀蔵氏。彼の予測的中率はすさまじいものがあって、アメリカの
金本位制度停止すらも彼の予測の範囲以内だった。しかし、彼は単なる予測屋ではなく株式においても
その類まれな能力を開花させている。予測にあわせて手持ちの株を全て売却、さらに大量の空売りを
仕掛けるなどという常人では到底思いもつかないようなポジション形成を行い、アメリカの金本位停止に
備えていた。是川銀蔵という人物は相場師、仕手筋として世間にはそのイメージが定着されているが
実は彼独自の論理的な観点をもって株式取引を行い、百戦錬磨の実績を上げていたのである。彼の売買に
より株式市場は動いていたという事実もあるが、彼は市場を操作していたのではなく彼の先読みが
市場の動きとマッチしていたにすぎないのである。
株式市場を動かすほどの是川銀蔵氏だが、彼が株式に対しての勉強に利用していた資料は日経新聞のみ
だったのというのが驚きである。「丹念に日経新聞を読めばたいていのことはわかる」というのは
彼の名言である。